高尿酸血症(痛風)

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高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症(痛風)とは

高尿酸血症は、血液中の尿酸値が異常に高くなっている状態を指します。尿酸は「プリン体」という物質が体内で分解されてできる物質で、体や臓器を動かしたりするためのエネルギー物質です。尿酸は通常、腎臓を通じて尿として排泄されますが、尿酸の生成が過剰であるか、または排泄が不十分である場合、血液中の尿酸濃度が高くなります。

高尿酸血症(痛風)の原因

高尿酸血症の主な原因としては、遺伝的な要因、ビールや内臓肉などに含まれるプリン体の過剰摂取、腎機能の低下により尿酸排泄の減少などが挙げられます。

①環境要因(生活習慣など)
プリン体や肉、アルコールの摂取、激しい運動、ストレス、肥満が影響を与えます。

プリン体が多く含まれる食品:
レバー、カツオ、アンチョビサーディン(イワシ)、マグロ、鶏肉、ソーセージやベーコンなどの加工肉、アサリやムール貝、ビール

②環境要因(腎臓の機能低下など)
腎機能の低下も高尿酸血症のリスクを高めます。利尿薬や特定の薬物の使用も血清尿酸値を上昇させる可能性があります。

③遺伝的な要因
尿酸輸送に関連する遺伝子の多型が尿酸排泄の低下に影響を与えます。また、遺伝子異常の持病により尿酸の産生過剰や排泄低下を引き起こす病気も存在します。特にABCG2遺伝子の変異は、尿中尿酸排泄量の増加に関係しており、日本人の痛風患者の80%で見られるとされています。

なお、長距離歩行や捻挫などにより繰り返し関節への負荷がかかることで軟骨表面の微小な結晶がはがれ、痛風を引き起こすこともあります。

高尿酸血症(痛風)の症状

高尿酸血症は「尿酸値が高い」というだけでは症状が出ませんが、血液中の尿酸量が増えると結晶化することがあります。これが関節に沈着して起こるのが「痛風発作」です。痛風発作では「風が吹くだけで痛い」と表現されるほどの急激な痛み、腫れ、赤みが生じます。特に足の親指の付け根に発症することが多く、歩行が困難になるケースも珍しくありません。

また尿酸の結晶が腎臓や尿路で石となることで、腎結石や尿路結石を形成することもあります。その他にも腎機能の低下(痛風腎)、動脈硬化の進行などさまざまな合併症を引き起こすため、症状が出ていなくても尿酸値のコントロールは非常に重要です。

六本木クリニックの治療方針

高尿酸血症と診断されても、血液中の尿酸値が一定値を超えるまでは、アルコールの摂取制限を含めた食事指導で経過を見ることができます。食事を見直すことで尿酸値が低下すればお薬は必要ありません。

食生活の見直しで改善しない場合には、血液中の尿酸値を下げるお薬を開始します。尿酸値が高いだけでは自覚症状はありませんが、痛風発作のリスクとなるため毎日忘れずに内服することが重要です。

痛風発作に対しては、鎮痛剤などを用いることで痛みを取り除く治療が優先されます。一度痛風発作を起こした方は、再発リスクが高いと言われています。痛みが無くなったからと言って治療を中断すると、発作を繰り返すリスクになります。

六本木クリニックでは、患者様が安心して治療を受けられるよう、患者様の症状に合わせた適切なご説明とフォローアップを行い、副作用の監視にも細心の注意を払った上で、患者様の環境や状況に合わせて適切な治療薬を提案させていただきます。

①生活指導
健康診断などで高尿酸血症が指摘された場合、基本的には即座にお薬が処方されることはありません。
まずは患者様の生活習慣をお伺いさせていただき、改善の余地がありそうなポイントをお伝えできるようにしていきます。理想的な生活習慣としては前述した通りですが、実際の生活に全てを落とし込むのは難しいため、患者様個々の生活習慣に合わせて、どこを重点的に改善すべきかを一緒に話し合い、改善に向けてアドバイス、検討していきます。

②薬物療法
尿酸生成抑制薬や排泄促進薬を中心とした治療方針を設けています。1種類の薬剤から開始し、尿酸の推移を確認し、必要に応じて増量もしくは他の種類の薬剤を組み合わせていきます。

③紹介基準
採血で著しい腎機能障害がみられる場合や、関節痛について痛風以外の原因が考えられる場合などは更に精査の必要があるため、連携する専門総合病院への紹介を行います。健康診断で尿酸値が高い(7.0mg/dl以上)と言われた方や、痛風発作を起こしたことがある方は、お早めにご相談ください。
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