不眠症

不眠症

不眠症とは

不眠症は、ただ眠れないだけでなく、夜間の睡眠の質が低下し、続けて日中に疲れや集中力の欠如、気分の落ち込み、めまいなどの症状が出る病気です。これが長期にわたると、生活の質(QOL)が大きく低下する恐れがあります。

一時的な睡眠不足は誰しも経験することですが、時間が経つと自然に良くなることが多いです。しかし、3ヶ月以上不眠が続く場合、それは「慢性不眠症」と呼ばれ、医師の治療を受けないと回復し辛い状況といえます。

実は成人の約10%が慢性不眠症の症状を経験しているとされ、年齢とともにその数は増加する傾向にあります。また、睡眠薬の服用率は成人で3~10%と言われており、この数も年齢とともに増加する傾向にあります。

不眠症の4分類
不眠症のタイプは、下記の4つに分類されています。しかし、実際の不眠症は明確に1つのタイプだけに絞られておらず、それぞれのタイプが混在していることが多くなっています。

①入眠困難
寝つきが悪い状態を示しており、一度寝付くと朝までぐっすり寝られることが多いタイプです。また、寝つきが悪いことに苦痛や支障を感じます。

②中途覚醒
寝つきは良いのですが、入眠後数時間で目が覚めるタイプです。一晩の内に何度も目が覚めてしまう場合や、一度起きるとそのまま朝まで眠れないこともあります。

③早朝覚醒
早朝に目が覚めるタイプです。早朝の定義には個人差がありますが、ご自身が予定している起床時間よりも1~2時間早く起きてしまう状態を示しています。

④熟眠障害
睡眠の質が低下している状態であり、睡眠時間が十分であっても翌朝全然疲れが取れていない、眠った気がしないと感じるタイプです。

不眠症の原因

不眠症の原因としては、ストレスが一番に挙げられることが多いです。しかし、身体やこころの病気、または特定のお薬の副作用としても生じることがあります。さらに、アルコールやカフェイン、ニコチンといった嗜好品や、夜勤、睡眠環境(例:外の音や部屋の温度、ベッドの硬さ)も影響を及ぼすことがあります。

継続的に不眠になると、ベッドに入るたびに「また眠れないのでは」という不安になり、不眠がさらに悪化してしまう恐れがあります。

不眠を引き起こす身体的な原因としては、夜中に症状が悪化するものが多いです。例として、心不全による息苦しさ、肺の疾患による咳や痰、糖尿病や前立腺肥大による頻尿、アトピー性皮膚炎によるかゆみなどが挙げられます。また、睡眠時無呼吸症候群なども、不眠症の原因となることが知られています。これらの疾患による不眠は、原因となる疾患を適切に治療することによって改善することができます。

また、躁うつ病や統合失調症などの精神疾患を持つ方は、不眠症を合併することが多いと言われています。これらの病気を持つ方は、精神科での診療を受け睡眠薬に関してもご相談することをお勧めします。また、一部のお薬、特に精神科のお薬は不眠を引き起こす可能性があるため、医師に治療の調整をしてもらう必要があります。

降圧薬や甲状腺ホルモン剤、ステロイド、一部の抗うつ薬などは、不眠の副作用がある可能性があると言われています。疑問や懸念がある場合は、医師に気軽に相談することをお勧めします。

不眠症の症状

・寝つきがわるい
・眠っても何度も目が覚める
・早朝に目が覚める
・日中、気付くと眠ってしまうことがある
・睡眠中に呼吸が止まったり、大きないびきで目が覚める、またはいびきを周りに指摘される
・車の運転中に強い睡魔に襲われることがある

これらの症状でお悩みの方は、不眠症の可能性があります。

また、不眠症が一時的な場合、日々の生活に少し影響を与える程度ですが、慢性的なものになると生活の質(QOL)を大きく低下させ、重大な身体的もしくは精神的な健康問題を引き起こす可能性があります。
不眠症は、睡眠の質や量に関連した下記のような症状をさらに引き起こします。
・疲労と日中の眠気
睡眠時間が不足すると、疲労感や日中の眠気が現れ、業務上や学校など日常生活の遂行能力が低下します。

・集中力と記憶力の低下
脳の機能に影響を及ぼし、特に集中力や記憶力に悪影響を与えるため、学習能力の低下や日常生活におけるタスクのパフォーマンスが低下します。

・精神的な健康問題
長期的な不眠症は、うつ病、不安障害、精神的ストレスなどの心理的問題を引き起こす可能性があります。

・身体的な健康問題
心臓病、高血圧、糖尿病などの慢性疾患のリスクを高めます。

・免疫機能の低下
適切な睡眠が免疫システムの健康にとって重要となるため、感染症への抵抗力を弱めます。

・事故リスクの上昇
注意力や反応速度を低下させ、自動車運転や作業中の事故リスクを増加させます。これらの症状や問題は、個々の生活習慣や健康状態、不眠症の程度により異なるため、不眠症の疑いがある場合は、早めに医師へご相談ください。

六本木クリニックの治療方針

不眠症の原因に特定の病気が絡む場合は、まずその病気の治療が先決となります。
患者様個々の体調や生活環境を詳しくお伺いさせていただき、不眠の原因を一緒に考え、患者様ご自身が自覚されていない他疾患の影響が不眠の理由となっていないか、内科的な広い知識から検討し、必要に応じて検査を行います。不眠の原因が他の病気でないと判断できれば、不眠に対する治療を開始します。
また、すでにお薬が処方されている患者様の場合はお薬の変更や調整も検討していきます。
万が一、不眠となる特定の原因が見当たらない場合は、不眠の状況や程度に応じた治療を行います。

一般的な治療方法としては、生活習慣の見直しと薬物療法を行います。
例えば、できるだけ同じ時間帯に寝る、日中の長時間の昼寝を避ける、朝日をしっかりと浴びる、定期的に運動を行う、夜のカフェイン摂取を避けるなど、生活習慣の改善によって不眠の改善が見込まれます。また、生活習慣に関してヒアリングさせていただいた結果から睡眠薬を使用する前にできることがないかを患者様と一緒に考えていきます。必ずしも全ての患者様が理想的な生活習慣を過ごせるわけではありませんが、患者様個々の事情を理解し、現実的に改善できるポイントを検証し、睡眠薬に頼らない不眠症治療をできるだけご提案します。

生活習慣の見直しだけでは睡眠が改善されない場合は、薬物治療を検討します。
鎮静作用や抗不安効果のあるお薬が処方されることが多くあります。お薬の効果にも、入眠時に有効なもの、中途覚醒を予防するもの、日内リズムを確立して自然な入眠をもたらすものなどさまざまな種類が存在しています。患者様の症状に応じて処方内容や処方量を個別に調節するため、医師の指示に従って正確に服用することが重要となります。軽はずみに多く服用したり、急に服用を中止すると問題が起きることがあるため、必ず医師の指示は守りましょう。また、高齢者や呼吸器疾患を持つ患者様、また運転や危険作業を行う方は日中の集中力低下や眠気が起こる可能性がある薬剤は使えません。
不眠症の診療において、六本木クリニックではオンライン診療も行っています。オンライン診療の場合、初診の患者様は厚生労働省の定めるルールに伴い処方できないお薬もありますが、再診からは対面診療と同じ内容のお薬を処方することが可能となります。
通院の時間が限られている中でもお薬が欲しい、スキマ時間に医師に相談したい、などの患者様のご都合に合わせてご受診形態をご選択ください。
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