腹痛(胃痛・胃腸炎)

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腹痛(胃痛・胃腸炎)

腹痛(胃痛・胃腸炎)とは

腹痛は「おなかが痛い」という症状を総称したもので、みぞおち(上腹部中央)から下腹部までの範囲に起こる痛みを指します。みぞおちあたりが痛む腹痛は、原因として胃痛や胃腸炎が挙げられます。

胃痛は胃に局在する痛みで、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。胃腸炎は主に胃や小腸の粘膜が炎症を起こす病気であり、一般的には胃腸の不快感や下痢、嘔吐などといった症状が現れる疾患の総称で、主に急性と慢性の2つのタイプに分けられます。急性胃腸炎は突然始まり、数日から数週間で改善する傾向があります。一方、慢性胃腸炎は長期間にわたり症状が続くもので、何度も再発することがあります。

胃痛・胃腸炎の原因

胃痛の原因は多岐にわたり、食事の内容やタイミング、ストレス、胃酸の分泌異常、薬物などが関係します。

胃腸炎は主に感染症が原因で、特に冬場に流行するノロウイルスやロタウイルス、食品衛生が不十分な場合に発生するサルモネラ菌などが挙げられます。また、腸内の健康なバランスを崩すと、細菌による感染が起こりやすくなることもあります。自己免疫、炎症性腸疾患(IBD)、特定の薬物の副作用など、さまざまな原因によって引き起こされます。

以下では、医療機関での正確な診断と治療が必要になる胃腸炎について解説します。

①細菌
胃腸炎を引き起こす代表的な細菌には以下の種類があります。
・サルモネラ:汚染された食品や水、生肉、卵、乳製品から感染します。潜伏期間は数時間から2日となり、症状には下痢、発熱、腹痛があります。
・カンピロバクター:主に不十分に加熱処理がされていないお肉、特に鶏肉から感染します。潜伏期間は2日~5日となり、下痢(しばしば血性)、発熱、腹痛があります。
・腸管出血性大腸菌:汚染された食品や水から感染します。ベロ毒素を産生する大腸菌で、潜伏期間は3日~5日となり、重症の場合は血性下痢や腎不全を引き起こし、命に関わる状態になることがあります。
・黄色ブドウ球菌:食品の中で増殖するエンテロトキシンを食品とともに摂取することで感染します。感染後2時間~6時間で激しい嘔吐、疝痛性腹痛、下痢を引き起こします。
・腸炎ビブリオ:生もしくは調理の不十分な海産物を介して感染します。潜伏期間は12時間~24時間となり、水様性の下痢、腹痛、時に発熱や嘔吐を伴います。
・クロストリジウム・ディフィシル:感染すると重度の下痢を引き起こすことがあります。抗菌薬の長期使用に伴い、腸管内の菌交代現象が生じることにより発症します。

②ウイルス
胃腸炎を引き起こす代表的なウイルスには以下の種類があります。
・ノロウイルス:人から人への接触、汚染された食品や水を介して感染します。潜伏期間は12~48時間となり、急激な嘔吐、下痢、腹痛、時に発熱が症状として含まれ、通常は数日で回復します。
・ロタウイルス:特に幼児や小児に発症しやすく、汚染された水や食物を触った手から経口感染します。潜伏期間は2日前後となり、下痢、嘔吐、発熱、脱水などの症状があります。
・アデノウイルス:主に子供に見られ、汚染された水や食品、接触により感染します。潜伏期間は3日~10日となり、下痢や呼吸器への症状がみられます。
・アストロウイルス:主に幼児と免疫系が弱い人に発症しやすく、感染経路は食品や水、接触により感染します。潜伏期間は1~4日となり、軽度から中度の下痢、嘔吐、腹痛、時には発熱がみられます。
・サポウイルス:人から人への接触や汚染された食品、水を介して感染します。潜伏期間は1~4日となり、嘔吐、下痢、腹痛などの症状があります。

③夏に注意すべき細菌と特徴
国内において、夏に注意すべき胃腸炎の主な原因は、カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオなどの細菌です。これらは特に高温多湿の環境で増殖しやすいため、食品の取り扱いには特に注意が必要です。十分に加熱されていない食品、特に海産物の取り扱いは適切な調理と保存が重要となります。

④冬に注意すべき細菌と特徴
国内において、冬に特に注意すべき胃腸炎の主な原因は、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスとなります。これらのウイルスは冬季に流行しやすく、特に密閉された空間や集団生活において感染リスクが高まります。食品を安全に取り扱うことが重要となり、特に生食用の食品は慎重に扱う必要があります。

胃腸炎の症状

胃痛の症状は胃部に感じる鈍い痛みで、しみつくような感覚があります。食後に強くなることが多く、横になると痛みが増すことがあります。

胃腸炎では腹痛の他、吐き気、下痢、嘔吐、身体のだるさや発熱などが一般的な症状です。特にウイルス性胃腸炎では急激に発症し、数日間で症状が和らぐことが多いです。細菌性胃腸炎は症状がより重く、治療に時間がかかることがあります。症状が重度で長引く場合や、血便や高熱が見られる場合には重篤な病気の可能性もあるため、すぐにご相談ください。

胃腸炎の検査と診断は、主に下記の3つの検査を通して行われます。

①培養検査
感染性胃腸炎の培養検査では、主に便の検体が必要となります。採取は清潔な容器を用いて、汚染されていない新鮮な便を採取します。検査には数日かかることが一般的ですが、病原体によってはもっと時間が必要な場合もあります。

②血液検査
急性胃腸炎で嘔吐や下痢が長期間続くと、体内の水分と電解質のバランスが崩れるリスクが高まります。特にナトリウムやカリウムの変動は、重要な合併症につながる可能性があります。血液検査により、これらの電解質の濃度をチェックすることで、脱水状態や電解質不均衡の程度を確認し、必要な場合には適切な補液治療や電解質の補給を行います。

③臨床診断
急性胃腸炎の診断では、上記のような検査を行わずとも、症状や周囲の感染状況に応じて、臨床的に診断することも少なくありません。嘔吐や下痢の頻度が極端に多くなく、基礎疾患がないなど全身状態が安定していれば、必ずしも感染源を特定する必要はありません。

六本木クリニックの治療方針

六本木クリニックでは、詳細な問診や身体診察を行なった後、患者様個々の原因に沿った治療を行います。

例えば、下痢症状が強い時、感染性腸炎による下痢は原因となる菌やウイルスをすべて体外に出し切ることが重要となるため、不必要に止めることは推奨されません。その上でおなかの痛みを和らげるお薬を使用することや、脱水を予防したりと、治療のポイントがそれぞれにあります。

一方で、器質的疾患や精神的要因から生じる下痢の場合、日常生活に影響のある下痢は止めても問題ありません。原因となる疾患の治療や、精神的ストレスの改善が下痢症状の治療につながることがあります。

同じ胃腸炎症状でも治療方法は異なり、自己判断で様子を見ることはお勧めしていません。胃腸の調子が悪い日が数日続いたり、普段と異なる違和感を感じる際には、できるだけ早めにご相談ください。
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