喘息

喘息

喘息とは

気管支喘息はどんな病気?

一般的に「ぜんそく」と呼ばれるのは「気管支喘息」のことが多いです(ほかの喘息については後述します)。気管支喘息は気管〜気管支(気道、空気の通り道)において色々な原因で慢性の炎症が起こり、気道が過敏になることで発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。アレルギーが原因のものから、そうでもないものまでいくつか種類が分かれます。季節の変わり目やかぜを引いた時、明け方や夜間に特に息苦しさを感じたり、ぜぇぜぇ、ヒューヒューという喘鳴(いわゆる喘息発作)が聞こえたり、痰を伴う咳などの症状が現れます。

多くの方が気管支喘息に悩んでいます

日本では子供の8~14%、大人の9~10%が気管支喘息と診断されております。「喘息にかかったことはありますか?」と成人した方へ質問をすると「小児喘息でした」と言われるように、喘息の子供の3人に2人は大人になると改善しますが、一方で3人に1人は成人した後も悩まされています。またさまざまな理由から近年も気管支喘息の患者様は増加しており、全世界で1億人以上、日本でも400万人以上の患者様がいるといわれています。気管支喘息による死亡(喘息死)こそ減少傾向であるものの、高年齢で発症する方もおられ、適切な治療によるコントロールが重要です。

放っておいてはいけない?

喘息の治療というと、市販薬の購入や一時的な対処療法を用いて楽になる方法を考える患者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
慢性的な気道の炎症が続くことによりどんどん気道が狭くなり(リモデリング)、やがて年がら年中発作が起きているように息苦しくなってしまい、日本でも毎年1000人以上の方が喘息で亡くなっています。近年、気管支喘息の治療は目覚ましい発展を遂げており、適切な治療により防げる死であるため、絶対に放置してはなりません。

気管支喘息と間違えやすい疾患

気管支喘息と似た症状を示すものの、全く異なる病気のことがあり、「治らない喘息」と言われたまま、漫然と吸入薬を処方されていることがあります。適切な診断と治療が必要であるため、以下のような病気にも注意して診察していきます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

いわゆるタバコ肺です。主に喫煙者に見られ、喘息と同様に息切れや慢性的な咳の症状があります。

慢性好酸球性肺炎

気管支喘息と似た症状を呈し、発作の際に肺炎を伴います。好酸球の増加が特徴です。

心不全

特に左心不全は、肺うっ血となることでゼーゼーヒューヒューと同じような音が聴こえます。その場合は胸部X線検査や足のむくみなど評価していきます。

気管支拡張症

特にカビなどに対するアレルギーによっておこるアレルギー性気管支肺真菌症が有名で、採血や胸部CT検査、内視鏡検査などで診断します。

肺塞栓症

いわゆるエコノミークラス症候群です。急激な呼吸困難や胸痛が特徴で、時に気管支喘息と間違えられることがあります。

声帯の異常

声帯の異常な動きが呼吸困難を引き起こすことがあり、気管支喘息と間違えられることがあります。背景に喉頭がんなども隠れていることがあるため、内視鏡検査などが必要です。

気道の腫瘍

呼気時にゼーゼーヒューヒューと同じような音が聴こえるため、気管支喘息と間違えられることがあります。背景に肺がんなども隠れていることがあるため、胸部X線や内視鏡検査などが必要です。

喘息の原因

喘息の原因

気管支喘息の原因は多岐に渡り、未だ解明されていないものもたくさんありますが、ここでは主な原因についてお話しします。

アレルゲン(アレルギー)

さまざまなアレルゲンに繰り返し暴露されることが発症リスクとなりえます。主なアレルゲンはダニ、家の中のホコリ(ハウスダスト)、花粉、動物の毛やフケ、ゴキブリ、真菌(色々なカビ)、食物(卵白、蕎麦ほか)などがあります。小児期の発症に大きな影響を与えます。なかなか難しいですが、こまめな掃除や換気を心がけ、清潔な生活環境を整えるなど、できることから始めましょう。

喫煙(タバコ)

「百害あって一利なし」のタバコですが、気管支喘息の発症にも大きな影響を与えます。成人における喫煙は勿論のこと、妊娠中の喫煙や産後に浴びる副流煙により小児期の発症リスクが急上昇します。ご自身が直接タバコを吸うことだけでなく、タバコの囲まれた環境がこれからの赤ちゃんの気管支喘息の発症に繋がってしまうため、十分に注意していただきたいと思います。

環境(大気汚染)

主なものに二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)、二酸化硫黄(SO2)、微小粒子状物質(いわゆるPM2.5)、黄砂などがあります。排気ガスなどに含まれており、大きな車道に面した家に住むことが発症リスクを高めるといった研究結果もあり、都市部において問題となっています。

環境(職業性)

主なものに化学工場における特定の物質や製粉工場の小麦粉などがあります。

遺伝的要因

両親のどちらかや兄弟に気管支喘息の方がいると、子が気管支喘息を発症しやすいとされます。未解明な部分も多いですが、近年は遺伝子解析の技術が進歩し、ADAM33遺伝子やORMDL3遺伝子など発症にかかわる遺伝子が次々と発見されています。ご家族に気管支喘息の方がおられる場合は、下記の「気管支喘息かも?」をチェックしてみてください。

ストレス(心理的要因)

直接的な因果関係は証明されておりませんが、ライフイベントの変化(出産,結婚,離婚,転居,就職,進学,近親者の病気や死など)や日常生活のストレス(家庭,職場,学校での対人関係の問題,仕事の負担など)が気管支喘息の発症に先行してみられることがあると報告されています。

RSウイルスとライノウイルス感染症

主に上気道感染であり、特に乳児期のRSウイルスやライノウイルスへの感染は、小児期後半から若年成人期にかけての喘息発症を予測する因子とされています。RSウイルスは冬に流行し、乳幼児に重篤な呼吸器感染症を起こすことが最も多いウイルスで、海外では既にワクチンも開発されており、乳児期の感染予防の観点などから国内の承認が期待されています。

薬剤の影響

「気管支喘息」の発症に関して明らかに原因となるものはありませんが、後述する「アスピリン喘息」はアスピリン(市販ではバファリンなどに含まれています)やNSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛薬(ロキソニンやイブなど)が原因となります。

他のアレルギー疾患との関係

アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎自体が直接原因になるわけではありませんが、それらの存在は気管支喘息の発症に影響しており、背景には好酸球性(アレルギーに関連)の病態が隠れていることが多いとされています。そのため、昨今ではアトピー性皮膚炎と気管支喘息で共通の薬剤を用いたり、アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法が気管支喘息のコントロールにも有用であるとされています。

喘息の症状

喘息の症状

息苦しさ

気道が狭くなることが原因です。軽症では運動時などたくさん息を吸わねばならないときだけ自覚しますが、進行してくると安静にしているときでも息苦しさを感じるようになり、発作時は息が吸えずに窒息してしまうように感じるほどです。

喘鳴

主に息を吐くときに、ゼーゼー、ヒューヒューといった音が生じます。気道が狭くなることで高音を生じ、さらには痰などが詰まってボソボソとした音も混じることがあります。

咳や痰

特に夜間や早朝に頻発することが多く、しばしば喘息の初期症状として現れます。痰を伴うことも多く、吐き出すのにとても苦しく感じます。

胸の圧迫感

気道が狭まることにより、胸が締め付けられるように感じたり、重苦しく感じることがあります。

気管支喘息かも?セルフチェック!

  • 長引く咳はありますか?
    • 以下のような条件で咳や息苦しさを感じますか?
      • 夜間や明け方
      • 掃除をしたり、布団を出す時
      • 激しい運動の後
      • タバコなどの煙を吸った時
      • 季節の変わり目、悪天候の日
    • 息苦しい時、ゼーゼーヒューヒュー聴こえますか?
      • 痰が多い
        • 咳止めの飲み薬は効かないけど、吸入薬は良く効く

          上記の中で複数当てはまる場合は一度医師までご相談ください。

          喘息の診断や検査

          気管支喘息の診断方法は?

          問診

          どんな検査よりも問診が重要であるため、どんな表現でも結構ですので、困っている症状や気になるエピソードを教えてください。

          主な症状
          先述した通りですが、呼吸困難、喘鳴、咳や痰、胸の圧迫感などがあります。
          症状の頻度、持続時間、および発作のタイミング
          週に何回起きるのか、夜は眠れているのか、発作が起きる時間帯などについて伺います。
          既往歴や家族歴
          アレルギー疾患の有無や、ご家族様に気管支喘息の方がいるか、などについて伺います。
          診察

          胸部の呼吸音を確認し、喘鳴や異常な呼吸音がないか検査します。
          また、自覚症状が全くないことも少なくないため、気道が狭いこと(呼吸機能検査)や気道の過敏性、アレルギー性炎症の有無(呼気一酸化窒素濃度測定やアレルギー検査)など必要に応じて追加していきます。

          呼吸機能検査
          肺機能検査(スパイロメトリー)
          深呼吸などで肺活量や勢いなどを測定するもので、数分で行うことができ、気道における空気の流れを測定し、気道の広さを評価します。
          ピークフローメーター
          大きく吸い込んでマウスピースに吐きこむことで、呼吸のピークフロー(最大呼気流量)を測定し、日々の変動を記録していただきます。治療開始後も変動の大きさをみることで安全な管理をすることができます。
          気道過敏性検査(アストグラフ)

          気道過敏性を客観的かつ定量的に調べる検査です。 気道の空気の流れの状態を測定しながら、気管支収縮物質(メタコリン)の含まれた蒸気を薄い濃度から濃い濃度へ順に吸っていくことで、その過敏性を評価することができます。

          呼気一酸化窒素(NO)測定

          最大まで吸い込んだ後、一定の速さで10秒ほど息を吐いていただく検査です。「炎症」は3つのタイプに分けられ、そのうち気管支喘息は「2型の炎症」に深く関連しています。2型炎症の主な原因は体内物質である「インターロイキン(IL)」や「IgE」であり、そのうちIL-4やIL-13の刺激により一酸化窒素が誘導されます。その一酸化窒素を測定することで、特に重症な気管支喘息の治療の指標に役立ちます。

          アレルギー検査

          主に血液検査で特定のアレルゲンに対する過敏性を評価します。どのアレルゲンが原因で引き起こされているのか、それを見極めることが治療がうまくいく一助となります。なお、皮膚テストによる評価も有用ですが、当クリニックでは実施していないため、ご希望の場合には提携の専門病院をご紹介いたします。

          胸部X線(レントゲン)検査

          稀に気管支喘息と診断されて治療開始されるも全く改善せず、実は他の呼吸器疾患であった、ということがあります。そのため、他の呼吸器系疾患を除外するために胸部X線を撮影することがあります。

          気道過敏性検査(アストグラフ)と呼気一酸化窒素(NO)測定が必要と医師が判断した場合には適切な提携の専門病院へとご紹介させていただきます。

          気管支喘息以外の”ぜんそく”

          治療についてお話しする前に「気管支喘息」以外の”ぜんそく”について触れさせていただきます。主に以下のようなぜんそくがあります。

          アスピリン喘息

          アスピリン(市販例:バファリン)や非ステロイド性抗炎症薬/NSAIDs(市販例:ロキソニン、イブなど)を服用することで喘息の症状が引き起こされるもので、成人の喘息の5〜10%はこのアスピリン喘息であり、特に30〜40代の女性に多いとされています。鼻ポリープ(鼻茸)や好酸球性副鼻腔炎などを伴うことが多く、嗅覚が低下している方が多いです。また練り歯磨きやミント、アルコールの摂取で症状が悪化することもあり、注意が必要です。とにかく過去にアスピリンやNSAIDsの使用後に症状があった方は必ず問診の際におっしゃっていただければと思います。
          アスピリンやNSAIDsを回避する、標準的な喘息治療(吸入ステロイド、長期作用型β2刺激薬など)、必要に応じてアスピリン脱感作療法を検討するなどの対応が必要です。

          咳喘息

          長く続く咳(慢性咳嗽)の中で最も多い原因で、かぜをひいた後などに痰のない乾いた咳が頑固に続きます。いわゆる気管支喘息のように夜間や早朝に咳が強くなることや、”寒暖差”によっていつも咳が引き起こされることが似ていますが、正式な喘息ではなく、喘息の前段階のような位置付けです。一方で、普段からの息苦しさや、ゼーゼーヒューヒューといった喘鳴は聴こえないことがほとんどです。呼吸機能検査においても大きな異常所見は認めませんが、吸入薬による改善効果を示すことがあります。
          標準的な喘息治療(吸入ステロイド、長期作用型β2刺激薬など)。咳に特化した治療(咳止め薬、抗ヒスタミン薬など)の追加。

          運動誘発性喘息

          運動によって喘息症状が誘発されるもので、小児喘息の半数程度を閉めるとされています。特に冷たく乾燥した空気を吸い込む際に発症しやすく、運動開始後数分で症状が現れて運動終了後10〜15分で改善するパターン(即時型)や、運動後6〜12時間で発症するパターン(遅発型)があります。たまに「子供が運動会から帰ってきた時は元気だったのに、夜から息苦しいと言っています」と相談を受けることがありますが、これは遅発型の典型例であり、すぐに受診すべきです。冷たい空気以外にも大気汚染や花粉、さまざまな化学物質などにより惹起されることもあり、注意が必要です。
          水泳や剣道など「屋内で行うもの」や「ずっと動いてはいない運動」は比較的安全におこなえますが、逆にマラソンやサッカーなどはリスクとなりえます。いわゆる気管支喘息と異なって”予防”が主であり、運動前の適切なウォームアップとクールダウン、マスクなどによる加湿のほか、治療の項で後述する各種吸入薬やロイコトリエン拮抗薬を運動前から服薬しておくことが重要です。

          喘息の治療方法

          生活習慣の改善や心理的サポートなど

          アレルゲンとの接触回避

          家庭内のダニ、ペットのフケ、カビ、花粉などのアレルゲンを減らすため、室内を綺麗にしておくと良いと思います。

          煙や化学物質からの回避

          なによりも禁煙です。副流煙からも距離を置きましょう。ほかにも空気清浄機の使用や定期的な換気を行い、タバコの煙や化学物質への暴露を避らすと良いと考えます。

          運動

          例えばヨガやピラティス、あるいは水泳などは呼吸のリハビリテーション強化に寄与し、肺機能の強化に繋がります。

          心理療法

          ストレスや不安が喘息発作のトリガーとなる場合もあり、思っている以上に効果的です。

          薬物学的治療

          日々のメンテナンスと発作時の救済措置の2つに分かれ、毎日歯磨きをして、それでも虫歯になってしまったら歯科受診するようなイメージです。そのため気管支喘息の治療では毎日の歯磨き(継続的な治療)がとても重要になります。

          長期管理薬(≒歯磨き)
          吸入ステロイド(ICS)
          気管支喘息治療で最も重要な治療薬です。抗炎症作用によって気道の炎症にアプローチし、吸入薬のため全身への副作用はほとんどありませんが、悪戯な使用は肺炎の発症リスクとなるため注意が必要です。

          商品名:アズマネックス、オルベスコ、キュバール、パルミコート、フルタイド

          長時間作用型β2刺激薬(LABA)
          気道のβ2受容体を刺激することで気管支を拡張し、息苦しさの症状改善に直結します。一方で動悸や手のふるえ(振戦)などの副作用のリスクもあり、自覚した場合には必ず主治医へ相談してください。

          商品名(合剤):アドエア、シムビコート(ブデホル)、フルティフォーム、レルベア、アテキュラ

          長時間作用型抗コリン薬
          副交感神経を抑制し、気管支を拡張させます。ICSやLABAを用いてもコントロールしきれない時に加えていきます。

          商品名(単剤):アトロベント、スピリーバ、シーブリ、エクリラ、エンクラッセ
          商品名(合剤):テリルジー、ビレーズトリ、エナジア

          ロイコトリエン受容体拮抗薬
          飲み薬で気管支拡張作用と抗炎症作用の両方をあわせもち、アレルギー性鼻炎などにも使用されます。

          商品名:オノン(プランルカスト)、シングレア(モンテルカスト)

          テオフィリン徐放製剤
          ホスホジエステラーゼを阻害することで気管支を拡張しますが、効果が弱く、ふるえなどの副作用が出やすいことなどから使用する機会は減っており、近年の国際的なガイドラインでも使用しないことを推奨されています。現在使用されている方で症状が安定している方は中止できる可能性があるため、ぜひ一度ご相談ください。

          商品名:テオロング、テオドール

          舌下免疫療法(ダニ、スギ)
          花粉のみならずダニやスギなどに対して舌下免疫療法という治療があり、気管支喘息の治療においても特にアレルギー性鼻炎を合併している方にとても有効です。
          抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬が直接的にアレルギー反応が起きないようにするのに対し、舌下免疫療法は「アレルゲンと仲良くなる」というイメージを持っていただければと思います。
          また皮下注射の方法もありますが、舌下投与の方が痛みもなく自宅でおこなっていただけるので患者様の負担は少なく、お勧めです。
          スギ
          シダキュア2000JAU 1週間
          以後、シダキュア5000JAU 4~5年の継続を推奨
          ダニ
          ミティキュア3300JAU 1週間
          以後、ミティキュア10000JAU 3~5年の継続を推奨
          注意点としては
          ・導入時にアナフィラキシーのリスクがある
          ・3~4年以上継続しないと効果が十分に感じられない可能性がある
          ということです。なおβ遮断薬(心不全や高血圧などのお薬)、ステロイド、抗がん剤などの投与中は導入を推奨しません。
          生物学的製剤
          重症な場合にのみ、患者様の病態に合わせて選択します。
          アレルギー反応の一因となり喘息を誘発する特定の分子を標的として、その効果を阻害して炎症を抑えます。同じ生物学的製剤という分類でも、薬剤によって標的となる分子が異なります。
          抗体名商品名称
          抗IgE抗体ゾレア
          (オマリズマブ)
          抗IL-4/IL-13受容体抗体デュピクセント
          (デュピルマブ)
          抗IL-5抗体ヌーカラ
          (メポリズマブ)
          抗IL-5受容体α抗体ファセンラ
          (ベンラリズマブ)
          抗TSLP抗体テゼスパイア
          (テゼペルマブ)
          発作治療薬
          短時間作用型β2刺激薬(SABA)
          気道のβ2受容体を刺激することで気管支を拡張し、息苦しさの症状改善に直結します。即効性があるため頻回に使用しがちですが、1日4回以上の使用は死亡率をあげてしまうというデータもあり、長期管理薬による日々のメンテナンスが最も重要であることは覚えておいていただければ幸いです。逆に4回以上使用しないと耐えられない場合は治療のアップグレードが必要であるため、ぜひご相談ください。

          商品名(合剤):サルタノール、メプチン、ベロテック

          内服・点滴ステロイド
          全身の炎症に対するアプローチ、最終手段です。発作時に使用することがありますが、漫然と使用することは副作用の観点からも推奨されません。

          商品名:プレドニン、メドロール、リンデロンなど

          吸入薬の選び方

          主に加圧式定量噴霧吸入器(pMDI)、ドライパウダー吸入器(DPI)、ソフトミスト吸入器(SMI)の3種類があります。また吸入回数も種類によって異なります。勢いよく吸入できる場合(比較的若い方向け)はDPIタイプ、ご高齢の方はpMDIタイプやSMIタイプを使用します。

          イオン葛西クリニックの治療方針

          イオン葛西クリニックにおける喘息の治療方針

          患者様一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診察を心掛けています。初診時には、詳細な病歴聴取を行い、気管支喘息に特徴的な症状、発症の経緯、生活環境、アレルギー歴などについて詳しくお伺いします。また、日常生活での困りごとや症状の影響についても理解を深めることを目指しています。

          できるだけ呼吸機能検査を受けていただき、さらに必要に応じた検査の追加をご提案します。それらの結果に基づいて即日あるいは次回受診の際から治療を開始し、生活習慣の改善やアレルゲン回避など含め、日々の症状の管理と発作予防に重点を置いたアプローチを提案します。

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