腹痛(胃痛・胃腸炎)
腹痛とは(胃痛・胃腸炎)
腹痛は「おなかが痛い」という症状を総称したもので、みぞおち(上腹部中央)から下腹部までの範囲に起こる痛みを指します。みぞおちあたりが痛む腹痛は、原因として胃痛や胃腸炎が挙げられます。
胃痛は胃に局在する痛みで、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。胃腸炎は主に胃や小腸の粘膜が炎症を起こす病気であり、一般的には胃腸の不快感や下痢、嘔吐などといった症状が現れる疾患の総称で、主に急性と慢性の2つのタイプに分けられます。急性胃腸炎は突然始まり、数日から数週間で改善する傾向があります。一方、慢性胃腸炎は長期間にわたり症状が続くもので、何度も再発することがあります。
胃痛・胃腸炎の原因
胃痛の原因は多岐にわたり、食事の内容やタイミング、ストレス、胃酸の分泌異常、薬物などが関係します。
胃腸炎は主に感染症が原因で、特に冬場に流行するノロウイルスやロタウイルス、食品衛生が不十分な場合に発生するサルモネラ菌などが挙げられます。また、腸内の健康なバランスを崩すと、細菌による感染が起こりやすくなることもあります。自己免疫、炎症性腸疾患(IBD)、特定の薬物の副作用など、さまざまな原因によって引き起こされます。
胃腸炎の症状
胃痛の症状は胃部に感じる鈍い痛みで、しみつくような感覚があります。食後に強くなることが多く、横になると痛みが増すことがあります。
胃腸炎では腹痛の他、吐き気、下痢、嘔吐、身体のだるさや発熱などが一般的な症状です。特にウイルス性胃腸炎では急激に発症し、数日間で症状が和らぐことが多いです。細菌性胃腸炎は症状がより重く、治療に時間がかかることがあります。症状が重度で長引く場合や、血便や高熱が見られる場合には重篤な病気の可能性もあるため、すぐにご相談ください。
胃腸炎の治療
詳細な問診や身体診察を行なった後、原因に沿った治療を行います。
例えば下痢症状が強い時、感染性腸炎による下痢は不必要に止めることは推奨されません。原因となる菌やウイルスをすべて体外に出し切ることが重要です。その上でお腹の痛みを和らげるお薬を使用したり、脱水を予防したりと、治療のポイントがあります。一方で、器質的疾患や精神的要因から生じる下痢の場合、日常生活に影響のある下痢は止めても問題ありません。原因となる疾患の治療や、精神的ストレスの改善が下痢症状の治療につながります。
このように、同じ胃腸炎症状でも治療方法は異なり、自己判断で様子を見ることは推奨されません。胃腸の調子が悪い日が数日続く際には、お早めにご相談ください。
一般内科の一覧に戻る