不眠症

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不眠症

不眠症とは

不眠症は、ただ眠れないだけでなく、夜間の睡眠の質が低下し、続けて日中に疲れや集中力の欠如、気分の落ち込み、めまいなどの症状が出る病気です。これが長期にわたると、生活の質(QOL)が大きく低下する恐れがあります。

一時的な睡眠不足は誰しも経験することですが、時間が経つと自然に良くなることが多いです。しかし、3ヶ月以上不眠が続く場合、それは「慢性不眠症」と呼ばれ、医師の治療を受けないと回復し辛い状況といえます。

実は成人の約10%が慢性不眠症の症状を経験しているとされ、年齢とともにその数は増加する傾向にあります。また、睡眠薬の服用率は成人で3~10%と言われており、この数も年齢とともに増加する傾向にあります。

不眠症の原因

不眠症の原因としては、ストレスが一番に挙げられることが多いです。しかし、身体やこころの病気、または特定のお薬の副作用としても生じることがあります。さらに、アルコールやカフェイン、ニコチンといった嗜好品や、夜勤、睡眠環境(例:外の音や部屋の温度、ベッドの硬さ)も影響を及ぼすことがあります。

継続的に不眠になると、ベッドに入るたびに「また眠れないのでは」という不安になり、不眠がさらに悪化してしまう恐れがあります。

不眠を引き起こす身体的な原因としては、夜中に症状が悪化するものが多いです。例として、心不全による息苦しさ、肺の疾患による咳や痰、糖尿病や前立腺肥大による頻尿、アトピー性皮膚炎によるかゆみなどが挙げられます。また、睡眠時無呼吸症候群なども、不眠症の原因となることが知られています。これらの疾患による不眠は、原因となる疾患を適切に治療することによって改善することができます。

また、躁うつ病や統合失調症などの精神疾患を持つ方は、不眠症を合併することが多いと言われています。これらの病気を持つ方は、精神科での診療を受け睡眠薬に関してもご相談することをお勧めします。また、一部のお薬、特に精神科のお薬は不眠を引き起こす可能性があるため、医師に治療の調整をしてもらう必要があります。

降圧薬や甲状腺ホルモン剤、ステロイド、一部の抗うつ薬などは、不眠の副作用がある可能性があると言われています。疑問や懸念がある場合は、医師に気軽に相談することをお勧めします。

不眠症の症状

・寝つきがわるい
・眠っても何度も目が覚める
・早朝に目が覚める
・日中、気付くと眠ってしまうことがある
・睡眠中に呼吸が止まったり、大きないびきで目が覚める、またはいびきを周りに指摘される
・車の運転中に強い睡魔に襲われることがある

これらの症状でお悩みの方は、不眠症の可能性があります。

不眠症の治療

不眠症の原因に特定の病気が絡む場合には、まずその病気の治療が先決となります。また、特定のお薬が不眠の原因となっている場合は、お薬の変更や調整を検討します。これらの特定の原因が見当たらない場合は、不眠の状況や程度に応じた治療を行います。

治療方法としては、一般的に生活習慣の見直しと薬物療法を行います。例えば、常に同じ時刻に寝る、日中の昼寝を避ける、朝日をしっかりと浴びる、定期的な運動を行う、夜のカフェイン摂取を避けるなどの生活習慣の改善によって改善が見込まれます。

薬物治療としては、鎮静作用や抗不安効果のあるお薬が処方されることが多いです。お薬の効果にも、入眠時に有効なもの、中途覚醒を予防するもの、日内リズムを確立して自然な入眠をもたらすものなどさまざまあります。症状に応じて処方内容や処方量を個別に調節するため、医師の指示に従って正確に服用することが重要です。軽はずみに多く服用したり、急に服用を中止すると問題が起きることがあるため、必ず医師の指示は守りましょう。高齢者や呼吸器疾患を持つ方、また運転や危険作業を行う方は日中の集中力低下や眠気が起こる可能性がある薬剤は使えません。

少しでも不眠症の気になる症状がある方は、ぜひお早めにご相談ください。
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